あるお昼の次の日のお話です。

次のお昼

 ボカッ!ガス!ゲシッ!ドゴ!

くううううううううう!あのあの野郎〜〜〜〜!!!

 アスカは自分の部屋で、クッションをぼこぼこに殴りながら、心の中で大声を出し怒りを露にしていた。

許せないわ!あの野郎!絶対に絶対にコロス!

 ボカッ!ガス!ゲシッ!ドゴ!

 クッションはもはや中身が飛び出そうなほどメチャクチャ、それほどまでにアスカを怒らすあの野郎とは?

シンジの!シンジの!シンジの〜〜〜!

シンジの食べかけを!お弁当を食べたファ〜〜〜〜スト!絶対に許さない!

 レイに対する怒り、ようは嫉妬である。

(でもうまくやったわね。わざと持ってこないでシンジのお弁当を食べる。それもそれもシンジのシンジの食べかけよ。それってそれって、かかかかっかかかかかか間接キキキキキキキキキキキッスじゃないの!すました顔してなんて、うらやまし・・・・いやらしい事をするのかしら。シンジもシンジよね、ダイエットって言っているのに渡すなんて、死刑ものね)

(私もシンジの食べか・・・・な、何言っているのよ!どうして私が食べかけを食べなきゃならないのよ・・・)

 ベットの上でクッションを抱きながら転がるアスカ。

(でもでも、ファ〜スト・・・うらやましい・・・)

 それから1時間アスカは苦悶の表情を浮かべてベットの上で転がりまくっていた。

!そうだこれよ!これだわ!

 何かを思いついたらしく、ベットから跳ね起きた。そして勢い良く襖を開け、リビングに居たシンジに叫ぶ。

「シンジ!明日、私のお弁当はいらないわよ」

「え?どうして」

 テレビを見ていたシンジ、当然疑問の答え。

「いちいち聞かない!もし作ったらコロスわよ」

「は、はい!」

 もし忠告を無視して作ったら命は無いと感じるほどの殺気、シンジはおもわず緊張する。

「よろしい。それじゃあお休み〜〜」

 殺気からおだやかな表情に早変わり、その変わり身の早さにわけがわからない。

「何だったんだ?」

 そして次の日・・・

 

 

 シンジはアスカの言うとおりお弁当を作らなかった。自分の分だけである。

メシや!メシを食うぞおおおお!

 四時間目が終わりトウジの風物詩の叫び。今日も晴天なのでいつものメンバーで屋上に行く。

(アスカどうするんだろう?)

 弁当を持っていないアスカ、だがその顔はニコニコしていた。

「「「「「いただきます」」」」」

 ガツガッツガツ!

くうう!最高や!イインチョの弁当は!

「そ、そんなんじゃないわよ」

 相変わらずの二人。

(ヒカリ幸せそうね。ファ〜ストは持参ね、シメシメ)

 ジ〜〜〜〜〜〜

 クックックと口に手をあて笑いながら、シンジのお弁当を見つめる。

 ジ〜〜〜〜〜〜

「あらアスカ、お弁当は?」

 ヒカリがその様子を気づく。

 モジモジ

「実は・・・・」

 モジモジ

「何?」

 モジモジ

 顔を赤らめ恥らいながら、次の言葉を出し惜しみする。

「ダイエットしているの」

「「「「ダイエット?」」」」

 レイを除いた四人は一斉に驚いた。アスカは恥ずかしさのあまり顔を両手で隠す。

「夜遅くに食べるからだよ」

(え?)

「学校帰りの寄り道がいけなかったのかしら」

(ええ?)

「そりゃあ、授業中は寝てばっかしやもんな」

(あ?)

「そういえば丸みをおびてきたね」

(ああ?)

「無様ね」

(なにい?)

 昨日のレイとは大違い。

(ど、どうしてよ!私は太ってなんかないわよ)

 口に出して言いたいがそうしたら計画が台無し。

「やっぱり肉だけじゃなく野菜も食べなきゃ」

「センセ無理や、肉食に草は食えんで」

「シンジも苦労するな」

 ボク!ゲシ!

「暫く寝てろ!」

 ニバカに鉄拳、そして沈黙。

「さあ、気にしないで食べて、私はダイエットしてるから」

 両手を払いながらシンジ達に昼食の続きを薦める。

「う、うん」

 そして昼食が再開される。

 ジ〜〜〜〜〜

 パクパク

 ジ〜〜〜〜〜

 モグモグ

 ジ〜〜〜〜〜

 ムシャムシャ

(・・・・なんで気づかないのよ!)

 アスカの目線はシンジにずっと向けられているだが、シンジは気づかない。

「シンジ」

「何?アスカ」

 我慢しきれずに話しかける。

「美味しい?」

「うん、美味しいよ」

「・・・・・そう」

 パクパク

(あっ!・・・・・)

 シンジは会話を終えるとまた食べ始める。アスカはアッケに取られた顔をしてまた見つめ出した。

 ジ〜〜〜〜〜

 パクパク

 ジ〜〜〜〜〜

 モグモグ

 ジ〜〜〜〜〜

 ムシャムシャ

「ふう、ごちそうさま」

「あ・・・・・・・・」

 シンジはそのまま手を合わせて昼食が終わった。アスカはそのまま固まった。

(どうして?どうしてよ!何で私にお弁当をすすめないのよ!)

「アスカどうしたの?」

 プルプル全身が震えている。シンジはそれを見て何だろうと思った。

うるさい!

 バッチン!

あぎゃ!

 光速のビンタ、そしてガニマタでアスカは屋上をあとにした。

「碇君、アスカどうしたの?」

「さあ」

 頬を押さえながら、ガニマタのアスカを見つづけた。

(何か怒るようなことしたかな?)

 その日の午後の授業、アスカは空腹のなか次の作戦を練り始めた。

(どうして、シナリオは完璧だったはずなのに、どこでくるったのかしら?ううお腹すいた〜〜)

 空腹の為に机に寝そべる。

(くううう・・・お腹すいた〜〜〜、この状況を乗り切るには体力の温存ね。寝るわよ)

 そして瞳は閉じられ意識はフェードアウトした。

 

 

 

「アスカ、アスカ」

「ん?」

 自分の名が呼ばれ、体が揺れている。

「アスカ、帰るよ」

「ふあああ、もう終わりなのね」

 目をこすり、大あくび。

「帰ろうか」

「うん」

 そしていつものメンバーで下校した。

(・・・・え〜と、何考えてたんだっけ?)

 まだ目が覚めてない頭をフル回転させる。

(ま、いっか)

 シナリオの事は忘れ去られた。

「シンジ、今日のご飯は?」

「ハンバ〜グだよ」

「やったね!」


 せっかく考えたのに失敗に終わりました。

 普段の行動からでしょうか、誰も心配しませんでしたね。これにはアスカはご立腹。まあ仕方ないでしょう(^^;)

 最後はへっぽこアスカちゃんになってしまいましたね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 次のお昼